解雇問題

整理解雇問題について

日本航空乗員組合は、2022年7月22日組合大会にて本件終結を確認し、

会社と「整理解雇問題解決に関する協定書」を結びます。

-ご支援いただきました皆さまに感謝とお礼を申し上げます-

2010年1月19日、日本航空は経営破たんし、同年12月31日、運航乗務員81名、客室乗務員84名(計165名)が整理解雇されました。日本航空乗員組合(JFU)はキャビンクルーユニオン(CCU)と共に、被解雇者組合員の「解雇撤回に向けた裁判」を全面支援するとともに、整理解雇実施の過程で会社がスト権投票を妨害したことに関する「不当労働行為裁判」を行ってきました。解雇撤回裁判は原告敗訴、不当労働行為裁判は組合側の勝訴という形で終結しました。
法廷闘争終了後は、様々な意見を持つ職場をまとめ団結してこの問題に向き合うため、CCU、日本航空機長組合(2017年、JFUと統一)とともに「裁判のことは強固に主張しない」、「撤回や不当という文言は使わない」、 「被解雇者だけではなく破たんを機に日本航空を辞めていった仲間たち全員の職場復帰を求める」という確認をして、 2016年10月に「解雇問題に関する3労組統一要求」が作られました。この要求の下、会社との交渉当事者として、最前線に立ち、粘り強く交渉を続けてまいりました。

2018 年 5 月に労務方針の変更が発表され、「整理解雇問題の解決に踏み出す」との会社発言に至りました。この背景には、全国に広まる支援共闘の皆さんの活動や、度重なるILO勧告が大きく会社の背中を押したことは間違いありません。「雇用で解決を目指す」として再雇用施策(地上職としての職場復帰)が推し進められてきました。現在JFUから5名、CCUからは3名の被解雇者組合員が日本航空での復職を果たしています。
コロナ禍を受け一般職の採用が中止される中での復職は、まさにILO勧告にもある優先的再雇用に相当するものですし、解雇を争う裁判が最高裁敗訴で完了した後での復職は、戦後の労動運動史上例がない、とも言われています。また、乗務職としてのZIP AIRへの採用についても、残念ながら被解雇者組合員の中からは実現しておりませんが、被解雇者から1名、その他、早期退職に応じた元組合員からも5名以上の採用が実現しています。これらもまた、「3乗組統一要求」への回答であり、日本航空グループに乗務職で復職を果たしたという観点からは、これまで皆さんと共に歩んできた運動の成果であると言って間違いありません。

2022年4月13日、JFUは解雇問題の全面解決には「再雇用施策に応募できない方への金銭解決」、「被解雇者の尊厳の回復」、「将来二度と整理解雇を行わない約束」が不可欠であるとし、これら3項目を含む「解雇問題解決に関する協定書(以下、解決協定書)案」を会社へ提示しました。これに応える形で、2022年6月23日、会社から「業務委託契約」の提案と共に、「解決協定書」の会社案が提示されました。

「業務委託契約」は、被解雇者組合員の希望者全員を対象に職務機会の提供を行うというもので、直接的な金銭解決ではないものの、「再雇用施策に応募できない方」であっても一定の報酬を得ることができるものです。また、解決協定書の締結と同時に、被解雇者の方々に対し赤坂社長からのメッセージが発信されるとともに、日本航空OB会への加入案内も通知されることが労使で確認されています。これらが少しでも被解雇者の方々の名誉の回復に繋がることを願ってやみません。
被解雇者組合員の方に対しては何度も意識調査を実施し、その都度、会社との交渉内容やJFUとしての考えをお伝えしてきました。2022年6月25日からは、被解雇者組合員全員を対象に2週間にわたる職場討議を行いました。それらの結果も踏まえ、解決協定書に合意し、解雇問題の完全終結を労使で確認する、という判断に至ったものです。

JFUは2022年7月22日の臨時組合大会において、「整理解雇問題解決に関する協定書及び覚書の締結」、並びに「争議権の解除」についての機関決定を行いました。
整理解雇問題に関する労使間の紛争状態は解消されますが、これは組合として整理解雇を容認したということではありません。 経営の失敗を労働者に押し付ける整理解雇という手段は、最大限に避けられるべきであり、2010年当時、ワークシェアリングなど様々な提案を行ったJFUの精神を継承していくことは言うまでもありません。当時の職場は不当労働行為が横行し、大変な混乱の中にありました。雇用を守る取り組みは、労働組合の存在意義に関わるものです。解決協定書には、「会社は、本件解雇が社内外に与えた影響の大きさを十分に認識すると共に、今後二度と整理解雇の必要性が生じることがないよう、経営の安定化に向けて努力する。」と謳われており、二度と整理解雇を行わない経営をすることを会社に約束させています。 JFUは、これからも、組合員の雇用を最重要課題として取り組みます。

整理解雇から11年半以上が経過する中では、先が見えず思い悩み、時には展望を失いかけたこともありました。私たちが辛い時期を乗り越え、ここまで取り組みを継続することができたのは、常に皆様からの温かい支援を受け、勇気づけられてきたからに他なりません。「JAL不当解雇撤回国民支援共闘会議」の皆さまはじめ、全国の30支援組織及び「不当解雇とたたかう日本航空労働者を支える会」の皆さま、そして日航内労組・産別の皆さまには、この長きにわたる闘いの中、ご心配、ご迷惑をおかけしたこともあったかと思います。お詫びと共に心より感謝申し上げます。 ありがとうございました。

2022年7月22日
日本航空乗員組合

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整理解雇問題解決に関するJFU/CCU共同声明

 2010年1月19日、日本航空は経営破綻し、同年12月31日、運航乗務員81名、客室乗務員84名(計165名)の整理解雇が強行されました。

日本航空乗員組合(JFU)と日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)は、被解雇者の方々が地位確認(解雇無効)を求めて提訴した裁判を全面的に支援しました。地位確認裁判では敗訴となりましたが、ほぼ同時に行われた不当労働行為裁判においては、解雇に至る過程で会社が両組合への争議権投票に介入した事実が認められ、組合側の勝訴となりました。
裁判終結後、解雇問題の解決は二労組(JFU/CCU)による会社との話し合いに委ねられました。二労組は、ILO結社の自由委員会へ救済の申し立てを行うとともに、「日本航空の不当解雇撤回をめざす国民支援共闘会議」をはじめとする全国的な支援、国内外の航空の仲間の支援を受け、原告団と共に11年半を超える様々な取り組みを進めてきました。

2018年5月には、労務方針の変更が発表され「整理解雇問題の解決に踏み出す」との会社発言に至りました。この背景には、全国に広まる支援団体の活動や、4回に亘るILO勧告が大きく会社の背中を押したことは間違いありません。会社は「雇用で解決を目指す」として再雇用施策(地上職としての職場復帰)が推し進められてきました。その結果、二労組から合わせて8名の被解雇者の方々が地上職への復職を果たしています。
2022年6月23日および24日に会社から希望者全員への業務委託契約とともに、解雇問題解決に関する協定書・合意書が提案されました。二労組はそれぞれ被解雇者組合員を始めとする組合員の意見を集約し、執行委員会で合意方針を決定、組合大会での確認をいたしました。

「整理解雇問題解決に関する協定書・合意書」の内容は以下の通りです。

  • 11年に亘り労使双方の懸案事項となっていた整理解雇問題の解決を通じて労使関係の信頼関係の正常化に努力する。
  • 健全な労使関係の安定化が「安全運航の基盤」のひとつであることを確認する。
  • この解雇が社内外に与えた影響の大きさを十分に認識するとともに、今後二度と整理解雇が生じることがないよう、経営の安定化に向けて努力する。
  • 被解雇者組合員に対し、希望者全員を対象とした業務機会の提供を行う

労使関係の正常化に向けての確認事項は、二労組の要求に応える内容となっており、また、被解雇者組合員全員を対象とした業務機会の提供も、被解雇者組合員に前向きに受け止められる回答と評価するに至りました。

2022年7月29日、二労組と会社は、「整理解雇問題解決に関する協定書」(JFU)・「整理解雇問題解決に関する合意書」(CCU)に調印し、整理解雇問題を解決し、争議を終結することとなりました。調印にあたっては、赤坂社長から被解雇者一人ひとりに宛てた名誉回復をはかるレターが二労組代表に手渡されました。

争議終結により整理解雇を巡る労使間の紛争状態は解消されますが、二労組が整理解雇を容認したということではありません。協定書・合意書には、「会社は今後二度と整理解雇が生じることがないよう、経営の安定化に向けて努力する。」と謳われており、二労組の雇用を守る取り組みにはいささかの変化もありません。コロナ禍等で業績が悪化する中、日本航空で雇用が確保され続けたことも、これまでの整理解雇問題への取り組みの成果と言えます。

解決に至るまで、ほんとうに長く苦しい闘いとなりました。労働者として最大の犠牲を強いられた被解雇者の皆さんとご家族のはかりしれない経済的かつ心理的負担、苦悩と苦渋をもたらした日々は11年7ヶ月の長きに及びました。 解雇という、労働者として、人として、物心両面に於いて非常に厳しい状況に置かれながら、粘り強くあらゆる取り組みを行い、現役の雇用確保にも心を寄せ続けてきた被解雇者の方々に対し、二労組として改めて敬意を表します。
この争議解決の日を迎えることができたのは、多くの組織や個人の方々からの温かく心強い支援に勇気づけられてきたからに他なりません。これまで厚いご支援を頂いた皆さまに、二労組より心からの感謝を申し上げるとともに、ここに整理解雇争議の終結を表明いたします。

2022年7月31日
日本航空乗員組合
日本航空キャビンクルーユニオン